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「ごめん、今、チューチュータイムだから!」と聞こえて驚いた。

日記

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 今週末は連休ということもあり、経理課の俺は締め切りが前倒しになっているため、今日も朝から忙しかった。

 

  しかし、天気もよく社内も暖かいため、気を抜くと睡魔に襲われる状況であった。手は絶えず動かしているが、頭はぼぅーっとしている。ミスはしなかったが、処理速度はいつもと比べると明らかに遅い。

 

  眠い。とにかく眠い。仕事に余裕があれば午後休とって、家で寝ていたい。

 

「ごめん、今、チューチュータイムだから!」

 

 西暦2017年。日本。とある会社のオフィス。平日の午後3時、就業時間にあり得ない言葉が俺の後ろの席から聞こえてきた。

 

 俺が知る限り『チュー』とは、ネズミの声か、キスのことだ。後ろに座っている女性のFさんが「ごめん、今、チューチュータイムだから!」と大きな声で叫んだのだ。

 

 俺は午後4時までに上げなければならない仕事があり、後ろの状況がかなり気になるものの、振り返らずに電卓を打ち続けた。

 

「まあ、しょうがないよね。チューチュータイムなら。」

「今、両手が離せないから、もうちょっと待ってね。」

 

 同じく女性のOさんとFさんのやりとりが後ろから聞こえる。しかし、会話から状況が全く想像できない。チューチュータイムって何?両手が離せないってどういうこと?しょうがないってどういうこと?仕事中にチューチュータイムでしょうがない?もう意味分からん!

 

 俺は我慢できずに後ろを振り返った。

 

 振り返った俺に気付いたFさんが照れ笑いする。隣で書類を持って立つOさんは、Fさんを見ながら呆れ顔だ。

 

 Oさんは、椅子に座り、顔を上に向け、両手で茶色い何かを口に当て恍惚の表情を浮かべていた。

 

 その状況を見ても、俺は何一つ理解できなかった。まさにワンダーランド!

 

「あの~、何をやっているんですか?チューチュータイムって何ですか?」

「ちょっと待ってね。今、忙しいから。もう少しで終わるから。」

「ジンくん。待ってあげなさいよ。Fちゃん、チューチュータイムで忙しいらしいんだからさ。」

「はい。」

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 ええ?何、この待ち時間?このよく分からない光景を俺はただただ眺めて待つの?なぜにノーヒントなの?Oさんはこの状況を知っているんでしょ?俺に説明してくれよ?

 

「よし!ここまできたら大丈夫!片手が空く!」

「ほら、さっきからジンくんが待っているから説明してあげな。」

「あはははっ。これね、シュークリームなの。」 

 

 シュークリーム?で?何故にシュークリームでチューチュータイム?いやいや、そもそも、今は就業時間だよ?仕事しないでシュークリーム食べていたということ?

 

「あの~、意味が分からないのですが……」

「えっ?そう?ほら、シュークリームって、クリーム入れるのに穴が開いているでしょ?そこからクリームを吸っていたの。穴の方から食べても皮が薄くて破けちゃうから、中のクリームの量を減らしていたの。」

「Fちゃん。ジンくん呆れているよ?いい歳したおばさんが、職場で生クリーム吸っているんだからしょうがないね。」

「そうだね。40のおばさんがチューチュータイムしているんだからね!」

 

 ……えっ?何、その会話。チューチュータイムという言葉に対し誰もツッコまないの?それって常識なの?そもそもシュークリームって片手で食べられるよね?そんなに神経質になって食べるようなものだったっけ?

 

「あの~、シュークリームって、普通に食べられません?」  

「ああ、分かっていないな?私はシュークリームを食べるのが下手なんだよ?普通に食べると間違いなくこぼすんだから!」

 

 知らないよ!あなたがシュークリームを食べるのが下手だということなんか知らないよ!まあ、でも、かわいいから許す! 

 

「ちなみに、そのシュークリームはどうしたんですか?」

「お昼に買ってきた。」

 

 Why?上手く食べられないと分かっているシュークリームを職場で食べる?

 

 女心はよく分からん。